辺境暮らしと盲腸 「入院してちらりと見えたアフリカ文化の真髄」最終回もまたちらり

 

ジャンボ !

ケニアの山奥で盲腸になり、入院し、盲腸を切ることなく

抗生剤で「薬で散らす」方法を選び、

点滴で抗生剤を入れる治療を5日間行い、症状も無事収まり退院して

早いもので2か月が過ぎました。


週に1度は必ず立ち寄る野菜とフルーツの市場で豆やら米を売る、密かにトトロと呼んでるおばさんと。なんと同級生!



採食中心の食事と毎日の運動を欠かさず続けているおかげで、

体調はすこぶる良好。

これまで何でこういう超健康的生活で過ごしてこなかったのか、、、

健康的習慣を続けることで体が変化し、

何だか平行して精神も健全な感じに変化していくことに驚きながら、

つくづく思う次第。

まあ、アホな自分は怖い思いをしないと、

こういうことに気づかない部類で。。。

それでも、一つ一つ、不健康な習慣を省いていってきています。

まあ、歳相応 という感じに見えなくもないですが。。。

30年吸ったタバコを止めて4年。

食事+運動の2本柱から成る超健康的生活を盲腸後に始めて2か月。。。。

次は、、、

定期的な断食を始めて、、、、年。。。と なるような予感。


毎日1時間のウオーキング+ジョギングの道中

さて、

あまり時間が経ってしまうと、

そろそろ入院体験の記憶も薄れていってきているので、、、、

入院することで見えた、ケニアに生きる ということの現実を

お伝えさせてもらいます。

一言でいえば、現実は厳しくても人々はとことん明るく、

いい意味で適当でいてくれる から、、うるさいことを言わない

まあ、必要なお金があって、自分さえ楽しくやっていれば、

こんなに自由でリラックスした日々を送れる環境はない!

ということ。。。。

ただしアフリカ文化の洗礼は受けないといかんですよ!!

ということで、時間も経ってしまい、、、既に新鮮さに欠けるという気がするのと、

最終回書かなきゃ。。。。 と

ブログの更新が滞る原因になってもアレなので。。。。

ダイジェスト版でお送りすることにします!

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① 退院当日日、入院費用にかかった約12万円を支払わないと

 退院させない と いきなり 捕虜状態になった。。。。。

はい、以前の記事で書いたように、最初は病院に来て、おなかの痛みの検査に

やってきたので、、、入院の準備なども全くしておらず、現金も3万円程度があったのみ。

その際、病院の受付で何度も言ったのが、

「現金、3万円だけしか持っていないから、これ以上の支払いは、

  一度銀行に行って、現金を下ろしてこないとないよ」

ということ。

その際、病院側のスタッフ全員が口を揃えて言ったのが、

ノープロブレム!

この辺がアフリカ文化の真髄と言いますか、、、

われわれ日本人の感覚では ノープロブレム じゃないだろ! となるもの。

そう、本当のところは、入院費用を払わないと退院させないよ となるわけので、、、

まあ日本人なら入院する際に、

その支払い準備をしておくでしょう。

この辺の現状というのか、実際どうなるのか、ということは

特に今必要なければ、言わない  というのがアフリカ人的感覚。

これが真髄。

で、どうしたか?

まず病院側が言ってきたのが、

「家族や親戚がいるでしょう、

     そこに電話して現金を持参するよう頼んでください」

って。。。。。ムズング(外人)であり天涯孤独の自分は

「それがいないんだよね」     ということ。

「では、あなたはロッジを経営してるんでしたよね、

  ロッジに電話して、スタッフに現金を持ってこさせてください」

って、、、うちのスタッフはスタッフと言っても近くに暮らす農民で

パートタイムで時々うちで働くという、、、日雇いベースの人たちなんで、

12万どころか、1万の現金も用意できないでしょう。。。。

こんなやり取りを病院の受付でしながら、ふと感じたのが、

これはたぶん、ここでは

    よくあることなんだろうな。。。。

で、時々退院と同時に支払いをしないまま逃げる輩も

けっこう居るんだろうな。

ということ。


入院病棟は病院の最上階にあり、
すぐに行ける屋上が自分的には癒しのスポットでした



後で聞いてみたら、やっぱり 食い逃げ ならぬ 

入院逃げ をする人は けっこういらっしゃるとかで。。。。

いつもは陽気そうな受付の兄ちゃんの顔色が

この話をする際には、みるみる曇っていくのを見て現実がヒシヒシ伝わってきました。


で、どうしたのか?


銀行から現金を下ろすための小切手は家に戻らないとないため、

身分証明として運よく持っていたパスポートを人質として病院に預け、

一度山まで1時間半かけて戻ります。

で、久しぶりに山のエコロッジに戻って、

感動の体験をするわけですが、その話は前々回をご参照。

で、翌日。

銀行で現金を下ろすための小切手を持ち、山を下りて町に出て、

再び病院がある町へ。

屋上から見えるケニアの典型的な長屋スタイルの集合住宅があり、そこでおばちゃんたちが洗濯して洗濯物を干す作業をただただじっと見ているだけで癒されました

もう20年近く東アフリカの国々で暮らしてきたから、自分の感覚がだいぶんアフリカ風味になってきていることなんかを、実感しながら


しかし、小切手を持参しても身分証明であるパスポートが無いと、

窓口で受け付けてくれないため。。。

まずは病院に行き、

今から銀行に言って現金を下ろすんでパスポートを返してください。

というと、

銀行まで病院のスタッフが同行するという (笑)

ここまで信用されていないと憤慨しかない感じになるわけですが、

同行させられた上記した例の普段は陽気な受付の支払い窓口の兄ちゃんに

一緒に車に乗りながら こう、聞いてみました。


「こうしてお金を下ろすところまで、同行することって、よくあるの?

  よく、あるんだろうな。。。かわいそうに(ポレ)」

彼曰く、

「この前、病院長から、もし今度逃げられるようなことがあったら、アカウント(支払い)部門のスタッフの給与から損害を差っ引くことになる

    って言われたばかりなんだ。。。。」

ポロリと出たアフリカの職場の現実話に

く、くく っ と思わず笑ってしまいそうになるのを何とかこらえ。。。。(笑)

ながら運転し、銀行に無事到着。

現金を下ろし、支払いを済ませ、やっと退院することが出来ましたとさ。。。。


② 1か月後のフォローアップ検診で病院に戻ったところ、

   治癒したというのに、まだ入院していた

        元同室の盲腸患者がいた。。。。


退院してから1か月後にフォローアップ検診で病院に戻った際、

ドクターに

「自分と同じ大部屋に入院していた、盲腸で痛みを1週間ガマンして、

  虫垂が破裂し手術した男性はどうなっりましたか?」 

と聞いたところ、

「症状はその後良好だよ。でも彼は、

こちらの方がなくて、



  まだ

退院できないでいるんだよ。 」


ドクターは親指と人差し指で輪っか〇を作り、

             お金のジェスチャーをしてみせます。

え、あの彼 ? 

まだ居るの ?

「で、でも1か月となると、

          居ることだけで更に費用がかさみますよね。。。」



まだ彼はここに居るのか、

手術費用と入院代が払えないために。。。。




「ベッド代はNHIF(ケニアの国民健康保険_がカバーするから、

          彼は払わなくてもダイジョブなんだ。」





大丈夫って、それ 国民健康保険的には

本来大丈夫ではあってはならない 

類の支払いであるような気がしてならないのですが。。。。


まあ、アフリカ文化の真髄を見させてもらったことですし、

あまりうるさいことは言わない ことにしましょうか。


ケニアの山奥での日々がやっぱり最高なことを再々再認識





ノー プロブレム!

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