ケニアで入院中にちらほら見えたアフリカ文化の真髄

 

ジャンボ !

入院4日目、あと1泊で退院です。

今回は入院中に見た

「やっぱりこれはアフリカだよなー」という

普通の日本人が入院中に遭遇したら、きっとかなり戸惑うような

事案の数々を紹介しましょう。

自分はもう20年住んでますから、これぐらいは許容範囲内 でも、笑える。。。。

というところでしょうか。

病室の窓から

で、こういう事案を目にしてしまうと、やっぱり手術はアフリカではしたくないよなー

そう思ってしまうことは確か。

開腹手術となると合併症とか、危ないぞー 一生ものの障害になりかねないぞー という思いが強まり、

やっぱり不安が勝って、やらなくてもすむならば、やらないにこしたことはない

になってしまいます。

さあー 時系列的にドタバタ劇をシェアしていきましょう!


初日 26日(木)

前日から右腹が痛く、どうも普通の痛みではない感じがあるので、

インターネットでいろいろ調べてみたところ、

症状や痛みの具合から、どうも盲腸っぽい。。。。。

幸い宿泊していたお客さん3名は本日チェックアウトの予定なので


ラウンジからの眺め





痛みを我慢しながら朝食を作って出し、それなりのレベルの病院がある

ナイバシャの町へ行って診てもらうことに。

午後2時 

病院に到着、症状を伝えるとまずは超音波検査で診断してみるという。

超音波検査の結果、Appendix=盲腸=虫垂炎 で8mm大に虫垂が腫れている

とのこど。

「即入院してください」と言われ、

分かってはいたものの少々ビビる。。。。

この間、スマホで盲腸にかかる情報、治療法あれこれを調べまくる。

入院にあたり、前金をディポジットする必要があると言われたが

現金をあまり持ってこなかったというのと、

銀行から現金を下ろすための小切手も持ってこなかったので、

その旨説明すると 「持っているだけでいい」 ということなので

電話に入っているお金と現金併せて3万シル(約4万円)ディポジットする。

最初の病院食

ビーフシチューとスパゲッティーとキャベツの煮物

予想外でそれなりにおいしかったですが病人用の食べ物としては、どうなんだろう?、、、と思う野菜の少なさ

これで手持ちの現金と電話に入っているお金ほぼすべて出してしまったので、

「 入院になるとは考えてなかったので、これ以上の支払いは一度家に戻って

   銀行の小切手を持ってこないとできないけど大丈夫?」 

と聞いたところ。

「ノープロブレム(問題ないよ)」

ということなので

(本当かな?ケニアのノープロブレムはどうも信用ならん。。。)

入院病棟へ移動し、初めてのアフリカでの入院生活開始。

実は

当方20年前に日本で腎臓を一つ摘出するという手術を経験していて

以来25年腎臓一つで生きています。

病気だったというより、もうその何年も前から一つの腎臓が

すでに機能しておらず(発覚したのはアメリカ在住中)

アメリカの医者は

「別に病気というわけではないし、問題が起こっているわけでもないので

  これはマザーネイチャー母なる自然に任せましょう」

という判断で処置することなく様子見だったのが、

日本に帰国してからお腹が苦しくなり水腎臓はとった方がいいと判断され摘出。

なので大きな手術と入院は日本で経験済み。


入院病棟へ入る。大部屋の10人部屋だろうか、学校の教室サイズの部屋。

当日は腹痛やそれまでの疲れが蓄積されていたのか、

点滴の間に爆睡  zzzzzzーーー 



入院病棟大部屋

真ん前が爆音のテレビ(消した後、、、)


ドタバタNo.1

♪ チャリ チャチャ チャリ ♪ チャリ チャチャチャチャ ♪

ォー ♪ マンボー クワクワ ~ アナペンダ~ ♪

チャリ チャチャチャチャ ♪

チャリ チャチャチャチャ ♪


スマホで音楽を聴いていると思われるケニア音楽が

向い、横、反対の横とあらゆる方向から別々の音楽が流れてくる音で

目を覚ます。

ォー ♪ マンボー クワクワ ~ アナペンダ~ ♪

チャリ チャチャチャチャ ♪

チャリ チャチャチャチャ ♪

「う、うるさいなー 」 皆さんスマホ音楽マックス音量で聞いている

「か、勘弁してくれー 」 と寝がえりを打っていると

今度は部屋の奥から爆音のテレビ音量で

夜9時のニュースが流れてくる

「 ジャジャジャーン♪ KTN レオ !! 」

うー これは寝れん。。。 一度家に帰って出直す際には耳栓とイヤホンを持ってきて

騒音対策を行おう。。。。


日本では他人が一緒にいる場所、電車やらでスマホの音を鳴らすのは厳禁ですが、

ケニアではそういうのありません。。。。

僕は知っているのですが、

アフリカ人、騒音はまったくノープロブレムなのです!!

というか騒音があった方が 賑やかでいい という感覚。

そんでもってアフリカ文化の真髄の一つに、

われわれ日本人が日々の生活でいつも気にする

他人に迷惑をかけないようにやっていこう  という感覚が

全く存在しない

ん?  迷惑? ハクナ・マタタ=ノープロブレム

というのがアフリカ文化の真髄の一つ。。。

最初の数年はオイラも、これで何度かブチ切れたもんだなー。。。。。


25年前にはスマホはなかったので日本の病棟が今どうなのか知りませんが、

きっとスマホやらテレビやら音を出すことは入院病棟の大部屋では厳禁では?

その夜は疲れていたので、

爆音にもめげず、再び入眠。。。。zzzzzz。。。zzz


入院病棟廊下


ドタバタ No.2 


2日目 27日(金)

抗生剤を点滴で1日入れてもらったおかげで大分痛みは和らぎます。

起きてすぐに朝のトイレへ。

トイレはきれい、病院自体新しいビルだったりするので

もしかしたら自分が20年前に腎臓を摘出した日本の県立病院より綺麗かも。


で、用をたし、個室のカギを開けて

出ようとすると

ん? 

ガチャ ガチャ ガチャ


んん?? 

あ、開かねーじゃねーか??

ガチャ ガチャ ガチャ      ガチャ ガチャ ガチャ

ガチャ ガチャ ガチャ      ガチャ ガチャ ガチャ

問題のドア鍵

問題があったというのに

何も処置されずそのままなところがアフリカ

近いうち、また誰かが閉じ込められるでしょう。。。



ガチャガチャガチャガチャガチャガチャ

「おーいヘルプ! 助けてくれー 

       ドアのカギが壊れて出られないぞー!!」

ガチャガチャガチャガチャ

ガチャガチャガチャガチャ


何度か声をあげて、3回目にはかなり大きな声で叫ぶ (オイラの声はデカい)

看護婦が来てくれ 「今、人呼んでくるから待ってて」

で、待つこと約15分

清掃や修理を担当するスタッフらしき人が現れる

「鍵が壊れてて開けられないのです」 と言うと

まずははしごを持ってきて自分が入っている個室のドアの上と天井の間から

よじ登ってくる。

ガチャガチャガチャガチャ

ガチャガチャガチャガチャ

何度か試みて、彼の力は強いようで、こじ開けることに成功。

ふー

後で何度か自分でそのカギをドアを閉めることなく

再び閉めてから開けてみようとしましたが、

やっぱり自分には不可能な硬さ。。。。。

でもって、4日目の今日でもそのカギは修理されることなくそのまま。。。。

きっともう何日かしたら、同じ目に合う入院患者さんが出てくるでしょう。

ノープロブレム!! って、、、、おい!! と言いたくなりますが、、、

これがアフリカ This is Africa ! なのです。 

ふー

ベッドの上でせっせとインターネットで虫垂炎の治療について調べた結果、

虫垂が破れていたり、穴が開いていたり、腹膜炎に発展していない限り

最近では、開腹手術をすることなく抗生剤で盲腸を散らすケースが多くなってきている

とのこと。

手術をさかんに進めてくる、医者と看護婦。

陽気な看護婦さんたち 陽気さはアフリカのいいところ

ある意味全てを許容するパワーを持ってて最強かも  でも手術はしたくない僕。。。。


たぶん日本でも20年前だったら、即手術して盲腸切りましょうだったのでしょう。

インターネットで出ていた手術をせずに抗生薬でという治療が最近主流になってきている

という学会による文献の英語版を必死で探して

ドクターにリンクをメールで送ります。

急性虫垂炎の抗菌薬治療から5年間の成績

https://www.lireclinic.com/column/%E6%80%A5%E6%80%A7%E8%99%AB%E5%9E%82%E7%82%8E%E3%81%AE%E6%8A%97%E8%8F%8C%E8%96%AC%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%81%8B%E3%82%89%EF%BC%95%E5%B9%B4%E9%96%93%E3%81%AE%E6%88%90%E7%B8%BE/


ドクターいわく 「最後は君の判断だから、、、」

渋々納得してくれます。


~ 続く ~

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